生薬による診療の特色

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現代生薬漢方では、内服薬には生の生薬を使用しており、従来の漢方薬にはない鋭い切れ味を実感できます。それにより、体の仕組みを実感をもって理解できるのが特徴です。
また、これまでの漢方薬でなかなか効果が上がらない時や、症状がひどい時などに、効力を発揮することがしばしばあります。

1.生薬と漢方薬の違い
2.生薬と漢方薬の使用方法
3.その他の特色



生薬と漢方薬の違い

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 現在の日本では、葛根湯、当帰芍薬散、八味地黄丸など、百種類以上の漢方薬が、保険医療用の薬剤として使われています。
 これらの漢方薬は、元々、自然界に存在している、天然の植物などを組み合わせた薬物です。これらの、漢方薬のもととなる、薬効を示す植物や鉱物などを生薬(しょうやく)と呼びます。
 昔は、現代のような便利な漢方薬があったわけではありません。いろいろな天然の生薬、つまり樹木などの葉、皮、根、実などを直接組み合わせて、そのままお湯で煎(せん)じて服用していました。
 他方、医師や薬師は、目の前にいる病者に対して、手元にある生薬のうちどれを選べばいいか。たとえば、人参、茯苓、白朮、半夏、黄連、生姜、甘草、桂枝、桂皮、附子、大黄などと、列挙していけばきりがない程数ある生薬のうち、どの生薬を主薬とし、その他をどのように組み合わせれば、できるだけ速やかに治るかということを、熟慮し断行しなければなりませんでした。
 そのような千年、二千年に及ぶ、無数の医師たちの苦心惨憺の結果が、膨大な古典として今日まで伝えられています。

 現在、日本で漢方薬と呼ばれているものは、すでに各種の生薬がブレンドされ粉末になり、服用しやすいように加工された薬物です。
 プラスチックのパックに包装されて製品化されたものが多く出回っています。この他に、丸薬や錠剤となっているものもあります。昔のように煎じる必要がなく、味などもよくなって、とても服薬しやすくなりました。
 このような漢方薬には、どのような病者に処方するかという、診断と治療に関する基準(証)が定められており、この基準に基づいて診療が行われます。
 ただ、これらの薬剤の中から、漢方薬を構成している、生薬の一つひとつを取り出すことはできません。つまり、漢方薬の特定の生薬の量を加減することが難しいことになります。これは、すでに一種類の薬剤として成分が均質化されているからに他なりません。

 これに対して、生薬そのものに、より密着して診療を行おうとすると、各種の生薬を個々に入手して使用することになります。
 生薬の剤形には刻(きざ)みと粉末があります。 
 刻み生薬とは、乾燥した生薬をそのまま、昔ながらに煎じる場合に使われます。しかしながら煎じるのに手間がかかり、一般的であるとはあまり言えません。そのため、当院では粉末を使用しています。
 ただ流通している粉末生薬の種類には限りがあります。国内の経済状況、グローバル化、中国市場の影響もあり、状況に応じた診療が必要となってきます。
 当院では、これらを踏まえた上で、粉末生薬を適宜組み合わせて、最も適切な診療を行っています。




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生薬と漢方薬の使用方法

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  現代では、漢方治療を行う場合、漢方薬を使用する方法と、生薬そのものを使用する方法、両者を組み合わせるものの三種類に大別されます。

1.すでに一つの薬剤としてできあがった漢方薬を、そのまま使用する
 一般的に行われている方法です。
 一種類の漢方薬だけを処方する場合と、漢方薬を何種類か組み合わせて処方する場合とがあります。
2.生薬そのものを組み合わせて使用する
 繰り返し述べているように、生薬とは漢方薬の原料であり、昔は生薬そのものを組み合わせて煎じていました。現在でも、種類が限定されますが、さまざまな生薬が市場に流通しています。
 これらの生薬を直接組み合わせて処方します。
 生薬にも、例えば樹木の皮であれば、皮をそのまま使用する場合(刻み)と、粉末にして使用する場合があります。
3.両者を組み合わせる方法
 漢方薬と生薬を組み合わせます。

 それぞれのやり方には、一長一短があり、どの方法がベストであると言い切ることはできません。
 医師によっても、やり方が異なってきます。
 当院の漢方診療では、漢方医としての長年の経験に基づき、患者さんの希望や症状に合わせて診療を行っています。




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その他の特色

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その他の特色として、以下のものがあります。
漢方の外用薬
内服薬の他、皮膚疾患などのために、漢方薬(刻み生薬)でできた入浴剤、ワセリンを基剤とする漢方薬の軟膏を、ご希望により処方します。
長期服用の方は経済負担が軽減
長期にわたり服用する人は、経済的な負担が軽減されます。
税法上、医療控除の特典が受けられる

保険診療、自費診療を問わず、全額が医療費控除の対象となります。


詳しいことは、受診時等にお尋ね下さい。




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